物件を探すとき、内見は思った以上に重要です。写真やネットの情報だけじゃわからないことがたくさんあるからです。「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないために、内見時にはしっかりチェックしておきたいポイントを紹介します。スマホのメモでもいいですが、できれば紙に印刷したチェックリストを持っていくと便利です。各物件を比べやすくなりますし、写真も撮っておくと後で見返すときに「あれ、どんな感じだったっけ?」となりません。
立地周辺の確認項目
住む場所の周りの環境は毎日の生活に直結します。
「駅から徒歩10分」と書いてあっても、実際に歩いてみると15分近くかかることはよくあります。
坂道があったり、信号待ちが多かったりすると、時間はどんどん延びていきます。
特に毎日の通勤・通学経路になる道は、実際に歩いてみるのが一番です。
周辺のお店情報も重要です。
「近くにスーパーがある」と聞いても、そのスーパーが高いのか安いのか、品揃えはどうなのかまでは広告には書いていません。
自分が普段買い物するものが手に入るお店が近くにあるか、夜遅く帰ってきても開いているコンビニはあるか、急な病気やケガのときに頼れる病院はどのくらい近くにあるのか。これらは住んでからの生活の質を大きく左右します。
騒音も要チェックです。
内見時に静かでも、朝の通勤時間帯や、夜の飲食店が賑わう時間帯はどうなのか。できれば平日と休日、異なる時間帯に周辺を歩いてみると安心です。「あれ?こんなに電車の音がうるさいとは思わなかった…」なんてことになりません。
日当たりと風通しは、住み心地だけでなく電気代にも影響します。
南向きなら日当たりは期待できますが、向かいに高い建物があれば話は別。窓を開けたときに風がちゃんと通るかも大事なポイントです。夏場のエアコン代を節約したいなら、特に重視したいところです。
建物全体のチェックポイント
アパートの外観を見れば、オーナーや管理会社がどれだけ建物を大事にしているかがわかります。
外壁の塗装が剥げていたり、共用部分が汚れていたりすると、建物全体のメンテナンスがおろそかになっている可能性があります。これは将来的なトラブルの予兆かもしれません。
セキュリティも大切です。オートロックは当たり前になってきましたが、実際の使い勝手はどうでしょうか。宅配ボックスはありますか? ないと不在時の荷物受け取りが面倒です。夜間の照明は十分ですか?女性の一人暮らしなら特に気にしたいポイントです。
共用部分の状態は意外と重要。
廊下やエレベーターホールが汚れていると、住人のモラルや管理会社の対応に問題があるかもしれません。エレベーターの待ち時間や、音はどうですか?朝の混雑時に毎回長く待つのはストレスになります。
駐輪場やゴミ置き場も要チェック。
自転車を使うなら、駐輪場が満杯になっていないか、使いやすい位置にあるかを確認しましょう。ゴミ置き場が汚いと、カラスやネズミが集まりやすくなります。自分の部屋のすぐ近くにゴミ置き場があると、においが気になることも。
室内の基本的チェック項目
部屋の中に入ったら、まずは間取りの使い勝手をイメージしてみましょう。
自分の家具はどこに置けるか、生活動線は確保できるか、実際に歩き回ってみるのが一番です。
「図面で見たときはもっと広く感じたのに…」なんてことはよくあります。
収納スペースは十分にあるか、自分の持ち物が全部入るかもチェック。クローゼットの奥行きや高さ、棚の位置なども確認しておくといいですね。
収納が少ないと部屋が物で溢れてしまい、せっかくの新居が落ち着かない空間になってしまいます。
室内の窓からの眺めや日当たりも大事です。
朝日が差し込む東向きの窓があると目覚めも良くなりますし、西日が強く入る部屋は夏場は暑くなりがちです。
カーテンレールの位置や種類も確認しておくと、引っ越し後のカーテン購入がスムーズです。
水回りは特に念入りにチェックしたい場所です。
キッチン、お風呂、トイレの使い勝手は、毎日の生活に直結します。シンクの広さや深さ、コンロの種類、浴槽の大きさ、トイレの広さなど、実際に自分の体格に合っているかを確かめてみましょう。
水回り詳細チェック
水回りは問題が起きやすい場所なので、より詳しくチェックしていきましょう。
蛇口をひねって、水の出方をチェック。水圧が弱いと、シャワーが気持ちよく使えなかったり、お米を研ぐのに時間がかかったりします。お湯の出る速さも確認してみましょう。
排水口の流れはスムーズですか? シンクやバスルームの排水が悪いと、水が溜まりやすくなり衛生面で問題になることも。排水口周りの汚れや、異臭がないかもチェックポイントです。
壁や天井に水染みや黒ずみがないか確認しましょう。
これは水漏れや結露の痕跡かもしれません。特に風呂場やキッチン周りの壁、窓枠の近くはよく見ておきたい場所です。
給湯器の種類や設置場所も重要です。
古いタイプだと湯切れしやすかったり、エコジョーズなら光熱費が安くなったりします。また、ガスかオール電化かによっても、毎月の光熱費に違いが出てきます。
設備・機能面のチェック
コンセントの数と位置は意外と見落としがちですが、あとから増設するのは難しいです。
テレビ、冷蔵庫、電子レンジ、パソコン…今の生活で使っている電化製品がすべて差せるか考えてみましょう。
特に寝室やデスク周りは、スマホの充電やパソコン作業のためにコンセントが必要です。
エアコンは付いていますか? 付いていない場合、取り付け可能な壁はどこですか? 窓の近くに壁がないと、エアコンの設置が難しいこともあります。
既存のエアコンは古すぎないかもチェック。10年以上経過していると電気代が高くなる可能性があります。
インターネット環境も大切です。光回線は引き込めるか、建物全体で契約しているプロバイダはあるか、自分で好きな会社と契約できるかなど、事前に確認しておくと引っ越し後のネット開通がスムーズです。
防音性能は夜眠るときの快適さに直結します。
内見中に少し大きめの声を出したり、隣の部屋の音が聞こえるか確認したりしてみましょう。
特に木造アパートは鉄筋コンクリートに比べて音が伝わりやすい傾向があります。
意外と見落としがちな細かいチェック項目
窓の開閉はスムーズですか?
古い建物だと、サッシが歪んで窓の開け閉めが大変なことも。また、網戸の有無や状態もチェックしておくと、夏場に虫に悩まされることが少なくなります。
床を歩いたときにきしむ音がしないか、傾きを感じないかも確認しましょう。
古い木造建築では床が沈んでいることもあり、家具が安定しなかったり、ボールが勝手に転がったりします。
壁のクロスは剥がれていないか、目立つ汚れはないか、チェックしておきましょう。
入居時にきれいな状態でないと、退去時に「これは前からあった」と言いにくくなります。特に角や扉の近くは傷がつきやすい場所です。
携帯電話の電波状況も確認しておきたいポイント。
建物の構造や立地によっては、部屋の中で電波が弱くなることもあります。自分のキャリアのスマホで電話やネットが快適に使えるか試してみましょう。
費用面の確認項目
家賃以外にもお金がかかることを忘れないでください。
初期費用として、>敷金・礼金・仲介手数料・火災保険料・鍵交換費用などがあります。これらを合計すると、家賃の数ヶ月分になることも珍しくありません。
毎月の家賃に加えて、共益費や管理費も必要です。これらは何に使われているのか、エレベーターのメンテナンスや廊下の電気代、清掃費などが含まれているのか確認しておきましょう。
契約更新時の更新料やその他の費用も事前にチェック。
一般的には家賃の1ヶ月分程度が更新料として必要になることが多いです。また、更新のタイミングはいつなのかも確認しておくと良いでしょう。
退去時の原状回復費用も気になるところ。
通常使用による経年劣化は借主負担にならないはずですが、ハウスルールや契約内容によって異なります。
壁に穴を開けたり、設備を破損したりした場合の修繕費用の目安も聞いておくと安心です。
契約前に確認すべき質問リスト
過去にどのようなトラブルがあったかを聞いてみるのも良い方法です。
水漏れや害虫の発生、騒音トラブルなどの履歴があれば、将来的に同じ問題が起きる可能性があります。
隣人や周辺住民についての情報も大切です。
学生が多い建物なのか、ファミリー世帯が多いのか、高齢者が多いのかによって、生活音や治安の印象が変わってきます。
設備の故障時の対応はどうなっているのか、24時間対応の緊急連絡先はあるのか、修理費用は誰が負担するのかなど、トラブル発生時の対応も事前に把握しておくと安心です。
契約条件の細部もチェックしましょう。
ペットの飼育や楽器の演奏、友人の宿泊、部屋の改装などに制限がないかを確認しておくと、入居後のトラブルを防げます。
まとめ:内見時の賢い判断方法
複数の物件を見ると、どれがいいのか迷ってしまいますよね。
それぞれの物件の良い点と気になる点をメモしておいて、優先順位をつけて比較するといいでしょう。
家賃が少し高くても、立地や設備が充実していれば、トータルでの満足度が高くなることもあります。
直感も大切ですが、客観的な評価もしっかり行いましょう。
「なんとなく居心地が良い」という感覚は大事ですが、具体的なチェック項目も忘れずに確認することで、感情と理性のバランスの取れた判断ができます。
内見後は、その日のうちに印象をメモしておくことをおすすめします。
数日経つと記憶があいまいになり、「あの物件はどうだったっけ?」となりがちです。
写真と一緒にメモを見返すことで、冷静な判断ができます。
最後に、内見時に使えるチェックリストをぜひ活用してください。スマホのメモアプリや、紙に印刷したものを持参すれば、見落としが減ります。
自分のライフスタイルに合わせて項目を追加・削除しながら、理想の住まい探しに役立ててくださいね。