「引越しがしたいのに…」最近よく聞かれるため息。引越し費用の高騰により、新生活への一歩を踏み出せない人が増えているのです。国土交通省の調査によれば、この2年間で引越し費用は平均で20%以上も上昇。特に東京や大阪などの大都市では、引越しシーズンには単身で30万円、家族なら50万円を超える見積もりが当たり前になっています。引越し費用の高騰で計画を変更せざるを得なくなった2つのリアルなケースをご紹介しましょう。
通勤がラクなところに引っ越したいのに……【東京・一人暮らしの会社員 佐藤美咲さん(28歳)の場合】

結局、引越しの見積もりが予算の倍以上だったので、諦めて更新することにしました
佐藤さんは東京都内の1Kアパートに5年間住んでいます。
最寄り駅から徒歩15分、築20年の物件で家賃は8万5千円。職場まで1時間以上かかるため、もっと便利な場所への引越しを計画していました。
「30歳になる前に、もう少し広くて通勤時間も短い場所に住みたかったんです。貯金も少しずつしていたので、引越し費用として15万円程度を見込んでいました」
しかし、3月に複数の引越し業者に見積もりを依頼したところ、驚くべき金額が返ってきました。

一番安い業者でも32万円。高いところだと45万円もしました。
単身の引越しなのに信じられない金額で、しかも4月の希望日は『もう予約がいっぱい』と言われました。
5月なら少し安くなると言われましたが、それでも25万円以上。
さらに新居の家賃も上がっていて、初期費用を合わせると貯金がほぼなくなる計算になりました
結局、佐藤さんは引越しを諦め、現在の物件の契約更新を選ばざるを得ませんでした。
更新料として家賃1ヶ月分の8万5千円を支払いましたが、引越し費用と比べれば安く済んだとのこと。
「正直、このまま住み続けるつもりはなかったので残念です。でも、いま引越すのはコスト的に無理。もう少し長く住んで、来年の冬か引越しシーズン外を狙って再チャレンジしようと思います。それまでは通勤時間を活用して資格の勉強をすることにしました」
エレベーターなしので階段料金も加算に【大阪・子育て世帯の鈴木家の場合】

子どもの学校が近い今の家に住み続けるほうが、総合的に見て正解だったかもしれません
大阪市内のマンションに住む鈴木家(夫42歳、妻39歳、小学生の子ども2人)は、もう少し広い家に引越ししたいと考えていました。
「子どもたちが大きくなってきて、部屋が手狭に感じていたんです。共働きなので、少し家賃が上がっても大丈夫だろうと思って、3LDKの物件を探していました」と鈴木さん。
しかし、実際に引越しの見積もりを取ると、予想を大きく上回る金額でした。

家族4人分の荷物を運ぶので、単身の2〜3倍の費用がかかると言われました。一番安い見積もりでも58万円。休日希望だとさらに割増になるし、エレベーターなしの5階から4階への引越しということで階段料金も加算されました。新居の敷金・礼金・仲介料を合わせると、全部で150万円近くかかる計算になったんです
鈴木家は熟慮の末、引越しを見送り、現在の3DKのマンションの契約を更新したのです。
「更新料と少し上がった家賃を考えても、引越しよりはるかに安く済みました。
子どもたちの学校も近いですし、慣れた環境を変えないで済んだという点ではポジティブに捉えています。部屋の使い方を工夫して、子ども部屋を作り直したら意外と快適になりました」
鈴木さんは引越しを諦めた代わりに、既存の住居を改善する方法を選びました。
「引越し費用の一部を使って、クローゼットの収納を見直したり、不要な家具を処分したりしました。引越し業者に払うつもりだったお金の一部で、今の家をより住みやすくする方が賢い選択だったと思います。数年後、子どもたちが中学生になったタイミングで、また引越しを検討するつもりです」
「引っ越せない…」と諦める前に、比較検討してみては?
今回ご紹介した2つのケースでは、残念ながら引越しを諦めることになりましたが、実は多くの場合、予算内で引越しできる可能性があります。
引越業者によって料金体系は大きく異なり、同じ条件でも最大で30%以上の価格差が生じることも珍しくありません。
「引越業者見積比較サイト」を利用すれば、一度の入力で複数の業者から見積もりを取得でき、自分の予算に合った最適な業者を見つけることができます。
佐藤さんや鈴木家のように諦める前に、こうした比較サイトで幅広く検討することをおすすめします。
時期や曜日の調整、サービス内容の見直しなど、プロのアドバイスを得ることで、思いもよらない節約方法が見つかるかもしれません。
理想の新生活を始めるヒントが見つかるはずです
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